何だか、1週間前の本番が「夢」のようだというか、高校時代の部活の最終試合後の引退とか、大学時代の定期演奏会をやり遂げたあとのようなやりきった感と、終わった後の物寂しさとを感じている今日この頃です。
「既存の三曲の在り方からブレイクスルーした、古典の演奏会をやりたい!」
そんな思いを、この本当に類い稀な縁というか、やっと巡り合えた「同志」とともに達成できたのは、僕としてはこれまでの邦楽人生の中で最も幸福なひとときでした。
2月に「而今の会」を結成し、曲ぎめ、会場ぎめ、ブログでの情報発信、演奏会準備と、3人で力を合わせて、半年間かけて共に創り上げてきました。本当にあっという間でした。今もまだ、「えっ、本番終わったの!?」と信じられない自分がいます。それくらい、集中して燃え続けてこられた半年間だったんだと思います。
また、この半年間、本当にたくさんの方に活動に共感して頂き、応援して頂いたことは、大きな励みとなりました。まわりの皆様に盛り上げて頂いた「而今の会」だったなぁと、あらためて感じております。本当にありがとうございました。
「而今(にこん)」の語の意味通り、「もう、思い残すことはない!」と言い切れるくらい、充実した「やりきった感」があると同時に、僕としては「またこのメンバーで演奏したいなあ…」という願いも持っています。メンバー同士の住まいが遠いため、頻繁に演奏会の開催などは難しいのですが、いつかきっとまた、第2弾の「而今の会・演奏会」をやってみたいなと心から思っています。その時には、是非とも足をお運び頂けたら嬉しいなと願っています。
しかし、現段階ではとりあえず、「1stシーズン」とでもいうか、「結成~葉月の陣屋」が一区切りしましたので、二月の結成からの「毎週更新」のブログも、一度「お休み期間」に入ります。その間は、ブログのトップに、これまでの活動の「インデックス」のような形で、これまでの記事を整理したリンク集を付けておきたいと思いますので、もしまた「而今の会の活動、どんな感じだったか見てみたいなぁ」と思って頂きましたら、ぜひこのブログに遊びに来てください。
あわせて、この「而今の会」をきっかけにして、これまでの慣習にとらわれない、自由な古典三曲の演奏会やグループの結成などが出現しましたなら、僕たちも本当に嬉しいです。そうしたムーブメントを期待しながら、結成段階から準備、練習、そして本番まで逐一「舞台裏事情」もどんどんオープンにしてきたわけですので、もしこうした取り組みを志す方がおられましたら、ぜひご参考にできるところは利用して下さいますよう、よろしくお願い致します。
この「熱い」夏の演奏会の思い出を胸に、いつかまた「2ndシーズン」の実現を願いながら…
どうもありがとうございました。
山口籟盟
今回は、現実的には下合わせを出来ない地理的環境の者同士が SNSの活用により交流を深め 本番の演奏会を実現するという、なんとも現代的な物語りを作ってしまった我々でした。
リハーサルでは何ともなかったお三絃が 本番を迎えた時には お天気のイタズラで糸が伸びるは伸びるは…あんなにも(おそらく数10回)弾くたび毎に糸巻きを締め上げながら演奏し続ける羽目になるとは思ってもみなかった事。
これまでの経験でも初めてのことでした。
行燈の灯だけ 夏の夜の開け放った日本家屋のお座敷。
設定は大成功でしたが、昨今の不安定なお天気には抗いようがありません。
神様に試練を与えられたと解釈しています。
経験すべてが芸の肥やし。
こうして通り過ぎた何もかもが これからの私の芸の厚みを支えてくれるものと思います。
大きな視野で様々な角度から 常に冷静に客観的に物事を捉えられる自分であれ!という思いを深めたこの夏の出来事でした。
大庫こずえ
芸歴30年の経験で最も強烈な出会いの一つが
この而今の会なのです。
この而今の会なのです。
山口さんのリードとナビが非常に細やかで、
上手に大庫さんと機械音痴の私を導いて
下さったおかげでオンライン下合わせを確立
出来たのです。
普通なら絶対に一つ所に出向いて何度か
面と向かって合わせる事をするのを、
三者三葉住むも活動するも全く異なる中でも
ネット上で合わせる事が出来るとは全く想像だに
してませんでした。
それと、今の時代の事ですから曲も現代曲で
行くのかと思いきや、そこは堂々と古典で合わせる
形で発信したのが特色なのだと。
そのおかげで、笹の露がとても落ち着いて
最後まで合わせられた事が何よりも得難い経験
でした。
初めての大曲でしかもお箏で挑んだ46歳の
自分に勇気が出ました。
この出会いは何物にも代えられません。
東啓次郎
本番翌日の『長野日報』誌に、「而今の会」を取り上げていただきました。 |
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